院内風景
オンラインHDF(血液透析濾過)
オンラインHDFとは、清浄化された透析液を血液回路から補液し、通常の血液透析と同時に血液の濾過を行う治療法です。血液を濾過する機能を加えたことで、通常の透析と比べ、より大きな老廃物を積極的に除去することができます。
当クリニックでは、本院で長年培ってきた実績を元に、質の高いオンラインHDF療法を提供いたします。
PD(腹膜透析)
腹膜透析はご自宅や職場で患者さんご自身が行う治療です。治療状況をノートに記録していただき、月1-2回病院を受診します。
HD(血液透析)
血液透析療法は、機械に血液を通し、血液中の老廃物や不要な水分を除去し、血液をきれいにする方法です。
IHDF(間歇補液療法)
当院では、新しい透析療法であるIHDF(間歇補充型血液透析濾過)を導入しております。IHDFは新しいタイプの治療法で、透析治療中に一定時間ごとに自動的に補液を行います。このIHDF治療法の特徴として、従来の血液透析療法では、治療後半になると過度な除水により末梢循環障害の状態に陥り、急激な体液量の減少に伴う血圧低下を招くことがありましが、この末梢循環障害により治療中に生じるさまざまな患者様への弊害を軽減することを目的とした治療方法がIHDF療法です。
LDLアフェレシス(LDL吸着療法)
体から血液を取り出し、吸着器で悪玉コレステロール(LDL コレステロール)を取り除きます。そしてきれいになった血液が体に戻されます。
着替え
個人用ロッカーと下駄箱を完備。
テレビ
一般放送が視聴できるテレビを、
ベッドに完備しています。
※有料となります。※イヤホンをご用意ください。
男性ロッカー室
女性ロッカー室
慢性腎不全について
慢性腎不全とは症状は疲労感、悪寒から始まります。
腎疾患が慢性に進行してくると、腎臓の内部構造が徐々に破壊されます。破壊が進み、腎臓の機能が代償できなくなり、腎臓の働き(腎機能)が正常より低下した状態を慢性腎不全といいます。初期には症状がないこともあります。進行は極めてゆっくりなため、腎臓の機能が正常の1/10未満になるまで症状の現れないこともまれではありません。それだけに早期発見が難しい病気とも言えます。進行してくると腎臓は体内の老廃物を十分排泄できなくなってしまい、毒素が身体の中に溜まって「尿毒症」と呼ばれる症状が現れてきます。そしてさらに悪化すると透析療法が必要になってしまいます。つまり、急性に進行し腎臓の内部構造がまだつぶれておらず、むしろ腎臓が腫大していることが多い回復可能な急性腎不全とは明確に区別されます。
慢性腎不全の原因
慢性腎不全には必ず原因となる腎疾患がありますが、不明なことも多いです。腎臓の萎縮が軽度の時は必要に応じ、腎臓の組織検査(腎生検)で原因を明らかにすることはできますが、中等度以上では、慢性腎不全の一般的な治療法で対処することになります。原因の多くは、慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症及び腎硬化症です。以前は慢性糸球体腎炎が主でしたが、近年他の原因疾患、とりわけ糖尿病性腎症が増加しており、年間透析導入患者では約42.9%(2006年度)を占めるようになり、なお増加傾向にあります。
慢性腎不全の症状血液中のカリウムが上昇すると不整脈が生じます。
慢性腎不全ではかなり腎機能低下が進行しないと自覚症状は出ません。従って、血液検査をして、血液中にたまった毒素(クレアチニン、尿素窒素)が上昇していることで初めて判明することが多いです。腎機能が正常の30%まで低下すると、貧血により疲れやすいという症状、むくみが出るといった症状が出ることがありますが、何も症状が出ない場合もあります。腎機能が正常の10%以下に低下して、体がだるい、食欲が低下する、吐き気がする息苦しい、といった腎不全症状(尿毒症症状)が出現します。また、血液中のカリウムが上昇すると、心臓に不整脈が生じ、心臓がとまってしまうこともあります。
慢性腎不全の治療腎不全が進行してきたときは、透析をする必要があります。
原因疾患にかかわりなく、慢性腎不全に対する治療は共通しており、基本的には、腎不全の進行を遅らせる治療になります。すなわち、慢性腎不全の治療の目標は腎機能を良くすることではなくて、悪化する速度を最大限遅くさせることです。また、腎臓の内部構造がつぶれている割合が少ない早期のうちに治療を受けるべきといえます。一般的な治療法としては、大きく下記の2つに分類されます。
- 食事療法 - 蛋白制限、塩分制限、カリウム制限、十分なカロリー摂取
- 薬物療法 - 経口吸収剤クレメジン、降圧剤、利尿剤
しかしながら、腎不全が進行し、血液中クレアチニン濃度が8以上になった場合や、尿毒症症状(強い倦怠感、食欲不振、吐き気、息苦しさなど)が出たり、水分が体にたまって心臓や肺に負担がきたときは、透析(血液透析または腹膜透析)を施行する必要があります。透析をしなければ、命を失います。透析は始めると永久的に続けなければなりませんが、年々透析技術も進歩しており、患者さんのQOL(生活の質)も向上してきています。更には、根本的な治療法として腎臓移植といった方法もありますが、依然、臓器提供者の絶対的な不足状態にあります。
血液透析について
血液透析とは
血液透析とは毒素が蓄積された血液を体外に導き、ダイアライザーと呼ばれる装置に一定量の血液を送り、血液の中の老廃物を取り除き、余分な水分を除去し、電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン)の濃度を調節し、血液pH(酸 - アルカリ性)を改善し、血液をきれいにして体内に戻す方法です。しかし、血液透析では健康な腎臓の一部しか機能を代行することができず、血圧調整因子(レニンなど)、造血刺激ホルモン(エリスロポエチン)、カルシウムおよび骨代謝を調節するビタミンDの活性化はできず、薬剤で補う必要があります。さらに、血液透析は週に2~3回、一回3~5時間行いますが、正常な腎臓の10%ぐらいの働きしかできず、そのため、血液透析で腎臓の機能を代行する人は水分や食事をはじめ日常生活の過ごし方に注意が必要です。
よくある質問
なぜ透析をしなければいけないのですか?
腎臓の働きが悪くなると体に不必要な水分や毒素が尿として体外に排泄できなくなるので透析をしなければ生命にかかわります。それで透析を行って余分な水分や蓄積された毒素を透析にて除去するのです。
一週間の透析回数や透析時間が患者さんによって違うのはなぜですか?
血液透析を行っていても患者さんによってはほんの少し腎機能が残っている方がおられます。血液検査によりどの程度の腎機能が残っているのかある程度わかります。その結果、透析時間と透析回数を決めます。
チャンバーが2つの回路と1つの回路があるのはなぜですか?
チャンバーがひとつなくなることで体から外に出る血液量が少なくできることです。これは透析開始時の脱血による血圧低下の抑制が期待されることと血液量が少なくなることで体外循環時間が短くなり、2つの回路より血液の凝固が抑制できます。
よく言われている“エンドトキシン”ってなんですか?
菌を分類する検査法や菌の形状から名づけられた“グラム陰性桿菌という菌の細胞壁のかけらをいいます。エンドトキシン(ET)が血液中に入れば発熱や血圧低下が起こります。ETは透析膜を通過するといわれていますので、透析液中のETは存在しないのが望ましいと言われています。
透析液の水は水道水ですか?
水道水中には消毒用の塩素や水を浄化するためのアルミニウムが入っており、水道水で作製した透析液では貧血やアルミ脳症、アルミ骨症を発症させます。またカルシウムやマグネシウムなどのイオンも含まれており、硬水症候群を発症させます。そこで活性炭で水道水の塩素を、軟水樹脂でカルシウムやマグネシウムなどの2価のイオンを除去し、逆浸透(RO)装置にて水中のイオンや汚濁物質を除去します。このRO水を用いて透析液を作製します。
なぜダイアライザーで毒素や水がとれるの?
円筒形のダイアライザーは中空糸型と呼ばれていて筒の中にはストロー状の中空糸が1万本程度収まっています(表面総面積1.5m2)。この中空糸の壁には小さな孔が開いており、中空糸の中を通る血液からは毒素や水が孔を通って透析側に出て行きます。一方、透析液側からは重曹イオンやナトリウムイオンが血液側に流入しています。